公益事業
第1回(平成19年) 産経はばたけアート・フェスタ2007
「アートを通じて障害者の自立を支援する」というコンセプトで10月13、14の両日、大阪市中央区、大阪ビジネスパークのツイン21タワー1Fの特設会場で「産経はばたけアート・フェスタ」(主催=産経新聞社、連合産經会、産経新聞厚生文化事業団)が開かれ、公募による障害者の絵画など180点の展示、ステージ発表、雑貨販売などが行われた。会場の人の流れは絶えることなく、障害者アートの不思議な造形力と感性に圧倒され、驚きと感激を味わった。
絵画の一般公募には、締め切り直前まで作品が集まらず、不安いっぱいだった。しかし、フタを開けてみると、予想をはるかに超える553点の応募。嶋本昭三・宝塚造形大教授ら選考委員も「すばらしい作品ぞろい。選ぶのに困った」とため息をついた。また、50点の招待作品も力作ぞろい。
準備段階では、趣旨に賛同する人たちから次から次へと楽しいプランが舞い込んだ。スイス・ローザンヌにある、「アール・ブリュット」の作品をコレクションしている京都市の「宮脇画廊」から「30数点を展示させてほしい」。元アイドルグループ「フォーリーブス」の音楽家、北公次氏が「発売するCDのジャケットに使うデザインを公募作品から選びたい」。ニューヨーク在住のバイオリニスト、多冶比純子さんが「交流のある島根県の障害者グループと一緒に演奏したい」などなど、障害者アートへの共感が広がった。
雑貨部門でも、障害者と芸術系大学の学生や若手アーティストたちが共同制作した「不思議かわいい」商品が全国から集まった。
「こんなイベントが必要だったんです。みんなの願いに産経新聞が火をつけてくれた」との声が上がり、来年へに向けて大きなエネルギーを与えてくれた。
第1回(平成19年) 産経はばたけアート・フェスタ2007の経過
公募展のほかに、障害者アートの分野ですでに作品が注目されて活躍している5人の作家の「招待作品」10点、「日中障害者絵画展」に出展した日本側の作品5点、京都・宮脇画廊の協力で同画廊の「アール・ブリュット」コレクションから30数点も併せて展示され、障害者アートの最新状況を知る機会となりました。
展示会場には、特設ステージが設けられ、国際舞台で活躍する選手による車いすダンス、ドイツ生まれの楽器ヘルマンハープ・グループの演奏、ダウン症グループによるダンス、また、ニューヨークで活躍するバイオリンニスト、多治比純子さんと彼女が支援する島根県の障害者施設のグループの共演...など多彩なイベントも繰り広げられました。
絵画、ステージに続く企画「不思議かわいい雑貨たち」も人気を呼びました。障害者のユニークなアート感性をプロのアート作家や造形専攻の学生たちが協力して、全国でさまざまなかわいい雑貨が誕生しています。その一部を会場に集めて展示即売しました。