序章 未来に向けて
2014年10月14日
障害者支援施設・三恵園(大阪府池田市で、未来に向けての組織と人づくりのための「気づきと学び/根っこワークのプロジェクト」が本格的に稼働します。三恵園 管理者(施設長)の宮脇真佐恵さん(44)をはじめ、三恵園職員や三恵園の母体である社会福祉法人産経新聞厚生文化事業団の職員、そしてわたしを中心にチームを立ち上げ、2014(平成26)年9 月 29 日に最初のミーティング兼研修会を開きました。
なぜ組織と人づくりなのか
今日の社会福祉サービス提供事業所・施設には、対応しなければならない課題が山積しています。障害者領域に限っても、本人の意思を尊重した本人中心の個別支援、加齢によって重度化する障害や発症する疾病への対応、権利擁護の推進、虐待防止策、地域自立生活への移行・定着支援、地域福祉の推進等、様々です。
さらに、社会福祉法人には、広く地域や社会の福祉の向上に役立つ「社会貢献事業」を実施することも求められるようになりました。社会福祉法人や施設・事業所に求められる利用者支援上の課題や役割がますます増えるなかで、なぜ組織や働く人たちに照準を合わせたプロジェクトを実施するのか? そんなことよりも、目の前の利用者や地域の問題解決に直結する課題に取り組むべきではないか? そんな声が聞こえてきそうです。
ここで、組織に目を転じて考えてみましょう。学校や企業や福祉事業所・施設、そのなかのクラブ・サークルや部署・チーム、これらはすべて組織です。 経営学で知られているバーナードの考え方によりますと、組織は、人の集まりを基本としますが、それが集団ではなく、組織となる、組織であるためには、集団 が共通目的と協働意欲を持ち、コミュニケーションが取れていなければなりません。
何か成し遂げたい目的があっても、人間がひとりでそれを実現するには限界がある。だから、目的を同じくする人たちが集まって、協働しようという気持ちで、他の人とコミュニケーションをとって目的達成のために働く。そのためにある、そうして成立するのが組織である、ということです。