連載きずな

 連載「きずな―三恵園日記」は、事業団が運営する施設で日々繰り広げられている日常の表情を中心に報告しています。産経新聞西日本版朝刊で平成22年6月から連載がスタート。

現在は大阪版が毎月奇数火曜日朝刊、他の西日本地域版は随時、主に朝刊に連載中です。

平成23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」を刊行。平成26年1月、過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」を刊行しました。福祉施設の現場で起きる笑い、涙、驚き、喜びなど、「現場」の”ちょっといい話”が満載。ぜひお読みください。

ご希望の方は、書店、インターネット、または事業団本部までお問い合わせください。

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【きずな「三恵園」日記】垣根をなくすボランティア

2016年11月08日

 月の中頃になると、障害者支援施設「三恵園」(池田市)に、4~5人のシニアボランティアが訪れ、施設内の陶芸室で作業を手伝うなど、1時間程度を利用者らとともに過ごす。メンバーの中心は和佐義顕さん(72)。施設訪問は数年前からだが、「続けることが大事だ」と、この秋から定期訪問を決めた。利用者らも和佐さんらの来訪を楽しみにするようになった。

■行けば学ぶことがある
 和佐さんはシルバーアドバイザー(SA)として老人福祉施設を訪ねたり、市のイベントで手作りおもちゃの作り方を教えたりしている。SAとは、経験や知識を生かし、地域の仲間といろんなサポート活動をするシニアのこと。定年退職後の「生きがい」のつもりで始めたのがきっかけだ。
 三恵園を訪れた当初は、言葉で気持ちを伝えるのが苦手な利用者が多く、どう接していいか分からず戸惑ったというが、今は違う。「ただ見守っていてください」という職員の言葉の意味が分かってきた。大声を出す障害者がいても温かく見守るなど、意識が大きく変わったという。
 民生委員も務める和佐さんは多くの仲間に「まずは見に行ってほしい。行けば何か学ぶことがあるから」と見学を呼びかける。和佐さん自身の実感である。

■外部からの視点が生きる
 「職員が見落としがちなことを教えてもらえて、刺激になる」と話すのは三恵園の吉岡喜代春支援員(31)だ。外部の視点は思わぬ発見につながることもある。
先日、吉岡支援員はボランティアの本音を聞くため、和佐さんらグループの定期集会に参加。その中で「本当に役立っているのか不安だ」という意外な声を聞けた。今後は善意に甘えるだけでなく、何でも話せる信頼関係を築くことを目指す。障害者と地域との垣根をなくすボランティアの存在は大きい。 (企画推進本部 和田依子)

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