連載きずな

 連載「きずな―三恵園日記」は、事業団が運営する施設で日々繰り広げられている日常の表情を中心に報告しています。産経新聞西日本版朝刊で平成22年6月から連載がスタート。

現在は大阪版が毎月奇数火曜日朝刊、他の西日本地域版は随時、主に朝刊に連載中です。

平成23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」を刊行。平成26年1月、過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」を刊行しました。福祉施設の現場で起きる笑い、涙、驚き、喜びなど、「現場」の”ちょっといい話”が満載。ぜひお読みください。

ご希望の方は、書店、インターネット、または事業団本部までお問い合わせください。

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【きずな「三恵園」日記】お楽しみのランチレッスン

2016年07月26日

 のどかな田園風景が広がる能勢町内の民家で、料理教室が開かれた。参加したのは、産経新聞厚生文化事業団が同町で運営するグループホーム「大里荘」で共同生活をする?代から?代の4人の女性利用者らだ。

■本当は料理が大好き
  料理教室の先生は、栄養士で事業団元職員の杉谷安恵さん。一昨年の定年退職後も非常勤職員として、グループホームで生活する利用者の支援をしている。「ホームの皆さんは若い頃から施設暮らしで、自分で料理する機会がほとんどなかった。だけど、本当は料理が好きな人が多いんです」と杉谷さん。「食」を通じて楽しむ企画を提案し、ランチレッスンと名づけた。
 この日のメニューは、「ちらし寿司、焼きナス、茶わん蒸し」。利用者らは食材を買いに行くところから参加する。焼きナスは柿の葉の上に盛りつける。茶わん蒸しのミツバは庭から調達。「地産地消」をモットーに能勢の自然を取り入れるのが杉谷流だ。

■地域の仲間として交流
 正午になり、いざ会食。朝から買い出しや調理に奮闘した利用者らもテーブルにつく。ごちそうを前にすると、普段より話が弾んだ。
「料理は楽しい。ホームではなく、皆でここに来て作るから楽しい」とある利用者が笑顔で言った。よその家を訪ねることが、何より気分転換になるらしい。
 実はこのお宅、事業団元職員の瀬川輝代さんが住む家だ。子供が自立し一人の時間が増えた瀬川さんは、「人が遊びに来てくれるとにぎやかになる」とキッチンやダイニングを快く提供している。
 退職しても人のつながりは途切れない。今は同じ地域に住む仲間としての関係だ。「また、ホームにも遊びに来てな」と話す利用者に、瀬川さんは「うん、うん」と笑顔でうなずいた。
(企画推進本部 和田依子)

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