連載きずな

 産経新聞西日本朝刊で連載してきた「きずな―三恵園日記」は、令和元年6月から「きずなNEWS」として模様替えし、新たにスタートします。

 事業団は、産経新聞社の社会貢献を目指して昭和19(1944)年に設立されました。社会福祉法人として、支援を必要とする人々のために幅広い活動をする「公益事業」と、障害のある人々を直接支援する「社会福祉事業」を2本柱としています。

 平成28(2016)年4月の改正社会福祉法の施行で社会福祉法人には地域における公益活動が義務付けられ、それまでより一層「地域福祉」「地域共生」を強力に推し進めるよう求められました。

 これを受け、きずなNEWSでは事業団が運営する施設の日常の表情を報告するだけでなく、施設と地域との交流、事業団の社会公益活動についても紹介していきます。

 平成22年6月からスタートした「きずな―三恵園日記」は23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」として刊行され、26年1月には過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」として刊行されました。どちらも福祉現場の”ちょっといい話”が満載です。ご希望の方は事業団本部までお問い合わせください。

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【きずな「三恵園」日記】ボウリング大会「銅」自信に

2017年08月29日

「僕、銅メダルを獲ったんです」。こう言って目を輝かすのは、就労継続支援事業所「ワークスペースさつき」(池田市)の利用者、杉本航(わたる)さん(22)だ。府内の知的障害者が参加した「府障がい者スポーツ大会・ボウリング部門」で見事3位に入賞した。「頑張ってきて良かった。頑張ることって大事」。メダル獲得が自信につながり、日中の作業にも前向きに取り組んでいる。

■友人に刺激受け練習
杉本さんは府立豊中支援学校高等部を卒業後、平成26年4月からワークスペースさつきに。ペット用サプリメントの袋詰めや包装、荷造りなどの作業に従事している。
ボウリングと本格的に取り組んだのは、高等部のOB会がきっかけ。OB会の参加者でボウリングを楽しんだが、仲の良い友人が上手だったことに刺激を受け、「友人に負けたくないと思った」という。
杉本さんの手助けをする岡田龍子支援員は「彼の大会出場は今年で3回目でしたが、今回にかける意気込みは例年以上。休みの日に10ゲームほど投げ込むなど、まさに練習の虫でした」と振り返る。

■さらなる高みを目指して
大阪市内で行われた大会には、お父さんからプレゼントされたマイ・ボール、マイ・シューズで臨んだ。大会は2ゲームの合計点で争われ、杉本さんは初めてメダルを獲得した。表彰台に上がるときは恥ずかしそうにしていたが、表彰式後はメダルを高々と掲げて記念撮影に納まるなど、晴れやかな表情をみせた。
お父さんは「ボウリングが上達することで息子が自信を持てるようになると考え、ボールなどを贈りました。入賞は非常にうれしく、息子の成長で家族の絆も深まりました」と話す。
大会後、よくしゃべるようになったという杉本さん。「次は全国大会出場」との思いもあるようで、井上秋子支援員は「さらなる高みを目指してほしい。ボウリングの実力がアップし、それが就労に向けてのステップアップにつながれば」と期待する。
                                                                                                                                                  (三宅統二)

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