連載きずな

 連載「きずな―三恵園日記」は、事業団が運営する施設で日々繰り広げられている日常の表情を中心に報告しています。産経新聞西日本版朝刊で平成22年6月から連載がスタート。

現在は大阪版が毎月奇数火曜日朝刊、他の西日本地域版は随時、主に朝刊に連載中です。

平成23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」を刊行。平成26年1月、過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」を刊行しました。福祉施設の現場で起きる笑い、涙、驚き、喜びなど、「現場」の”ちょっといい話”が満載。ぜひお読みください。

ご希望の方は、書店、インターネット、または事業団本部までお問い合わせください。

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【きずな「三恵園」日記】春を呼ぶミニコンサート

2017年03月14日

 梅香る能勢の山里。その一角にある生活介護事業所「なごみ苑」(大阪府能勢町)でミニコンサートが開かれた。室内に設けたステージに立つのは、関西を中心に活動する歌手の北原たかしさん。甘い声で「北国の春」を熱唱する姿に利用者らが大きな拍手を送り、会場は一足早く春の気分に包まれた。
 「歌が上手!」と最前列で聴いていた利用者が声援を送ると、「ほめていただき、うれしいです。私、歌手なんでね」と北原さんが笑顔で返し、周囲を笑わせる場面もあった。

■多様なつながりで
 コンサートのきっかけを作ったのは、なごみ苑に通う利用者らが暮らすグループホームの世話人、大石幸代さん(52)だ。ホームで夜勤を担当し、子育て支援事業をする夢に向け、知人が経営する飲食店でも働き、そこで北原さんのことを知った。
 北原さんは一昨年、『最後に微笑んで』(シビーミュージック)でCDデビュー。ライブハウスなどでムード歌謡を歌う一方、「多くの人に音楽の楽しさを伝えたい」とボランティアで福祉施設を訪問している。「なごみ苑にもぜひ」と大石さんが知人を通してお願いすると、快く受けてくれた。

■手作りパネルで歓迎
 コンサートの話が出たのは2カ月前。利用者らは心待ちにし、準備にあたった。ステージに飾るための「北原たかしコンサート」のパネルを皆で協力して手作りした。昼食時には北原さんのCDをかけ、いつしか誰もが歌を口ずさめるようになっていた。コンサートは大いに盛り上がり、最後は「上を向いて歩こう」を皆で一緒に歌った。
 「このパネルは捨てないでくださいね。また来ますから」と告げて去った北原さん。近々2枚目のCDを出す予定だ。利用者の一人は「次のコンサートが楽しみ。それまでまた、作業をがんばります」と再会を夢見て言った。

                                      (企画推進本部 和田依子)

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