連載きずな

 産経新聞西日本朝刊で連載してきた「きずな―三恵園日記」は、令和元年6月から「きずなNEWS」として模様替えし、新たにスタートします。

 事業団は、産経新聞社の社会貢献を目指して昭和19(1944)年に設立されました。社会福祉法人として、支援を必要とする人々のために幅広い活動をする「公益事業」と、障害のある人々を直接支援する「社会福祉事業」を2本柱としています。

 平成28(2016)年4月の改正社会福祉法の施行で社会福祉法人には地域における公益活動が義務付けられ、それまでより一層「地域福祉」「地域共生」を強力に推し進めるよう求められました。

 これを受け、きずなNEWSでは事業団が運営する施設の日常の表情を報告するだけでなく、施設と地域との交流、事業団の社会公益活動についても紹介していきます。

 平成22年6月からスタートした「きずな―三恵園日記」は23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」として刊行され、26年1月には過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」として刊行されました。どちらも福祉現場の”ちょっといい話”が満載です。ご希望の方は事業団本部までお問い合わせください。

連載きずな詳細

連載きずな

【きずな「三恵園」日記】才能引き出すカレンダー

2016年11月22日

 生活介護事業所「なごみ苑」(能勢町)で今秋、うれしい出来事があった。産経新聞厚生文化事業団が毎年製作するカレンダー「手作り物語―2017―」の原画コンテストで、利用者5人の作品が入選したのだ。事業団運営の施設から応募があったのは235点。その中から月別に掲載する点のうち半数近くを占める快挙だった。

■成長した表現力
 入選者の一人、豊嶋邦彦さん(68)は、「初めての応募。選ばれてとてもうれしい」と話す。作品「めでたい」(1月掲載)は、小さくちぎった色紙を貼り合わせタイを表した、新春にふさわしい色鮮やかなちぎり絵だ。
支援員の黒田秀子さん(47)は、その表現力の成長に目を見張る。黒田さんが勤務し始めた5年前、豊嶋さんはただ紙を切り、ただクレヨンで塗るだけなどで、積極的に表現することはなかったが、あるとき、黒田さんの勧めでちぎり絵を始めたところ、夢中に。繊細な表現も得意になった。

■入選に向けサポート戦略も
 別の利用者、宇高久恵さん(48)の「虫さんたち」(7月掲載)も入選作の一つ。ユーモラスな顔の虫が画面いっぱいに踊る作品だ。
 宇高さんが描くのはカマキリ、カエルなど、何とも不思議でかわいいキャラクター。黒田さんは、そんなキャラクターたちに魅せられ、スケッチブックで作品集を作り、いつでも活用できるよう大切に持っている。
 学生時代に服飾デザインを専攻していたという黒田さんは、今回のコンテストで「何とか入選させたいね」と、職員らでサポート戦略を練ったという。隠れた才能に魅せられ、光が当たるように願う支援員らの思いは、どこか親心に似ている。
 A2判のカレンダーは1部千円で販売。注文は生活介護事業所「こすもす」(☎072・737・5601)。                                   (企画推進本部 和田依子)

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