連載きずな

 連載「きずな―三恵園日記」は、事業団が運営する施設で日々繰り広げられている日常の表情を中心に報告しています。産経新聞西日本版朝刊で平成22年6月から連載がスタート。

現在は大阪版が毎月奇数火曜日朝刊、他の西日本地域版は随時、主に朝刊に連載中です。

平成23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」を刊行。平成26年1月、過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」を刊行しました。福祉施設の現場で起きる笑い、涙、驚き、喜びなど、「現場」の”ちょっといい話”が満載。ぜひお読みください。

ご希望の方は、書店、インターネット、または事業団本部までお問い合わせください。

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【きずな「三恵園」日記】畑の世話係「能勢の野菜味わって」

2016年10月04日

 就労継続支援事業所「すみれ工房」(能勢町)の利用者、長沢とよ子さん(65)は町内3カ所に設けた畑の世話係を務め、栽培する野菜の成長を見るのを楽しみにしている。「ナスがたくさんなっている。早く取ろう」ととよ子さん。担当の長澤利之支援員(49)は、「大きいものだけ収穫しましょう」と自らも籠を手に、畑に向かった。

■畑作業で笑顔を取り戻す
 同事業所は昨年から本格的に野菜づくりを始めた。キュウリ、ナス、タマネギ、ダイコンなど豊富な種類を栽培し、収穫した野菜は、産経新聞厚生文化事業団運営の施設の玄関先などで販売している。
 とよ子さんはこれまで別の事業所にいたが、室内では思い通りの仕事ができず元気をなくしていた。しかし昨年、同事業所に来て畑を任されてからは、別人のように生き生きと仕事に精を出した。責任感が強く、炎天下でも草ひきをがんばるとよ子さんに、長澤支援員は「休憩してくださいね」とこまめに声をかけ、見守った。
 無償で苗を提供してくれたご近所さん、「そろそろ支柱を立てないと倒れるよ」と教えてくれた農家の人、野菜を買ってくれるお客さん―。畑は地域の人々の優しさに支えられ、秋の収穫を迎えた。


■地域性を生かし「農福連携」
 能勢町は府内でも珍しく農業就労人口が多い。すみれ工房はその地域の特性を生かし、今後はさらに「農業と福祉の連携」を目指す。高齢化で人手不足になった農業の現場では、利用者らの丁寧な仕事が評価されている。毎年、農家からクリの収穫を請け負い、地元特産品の生産にも一役買っている。利用者にとって、農業は自分のペースで取り組めるうえ、作物で成果を実感できるという魅力がある。
 丹精込めて育てた野菜は、「とよのピアin池田」(阪急池田駅2階)で開催中の「とよの・のせフェア」で今月31日まで販売している。                                               (企画推進本部 和田依子)

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