連載きずな

 連載「きずな―三恵園日記」は、事業団が運営する施設で日々繰り広げられている日常の表情を中心に報告しています。産経新聞西日本版朝刊で平成22年6月から連載がスタート。

現在は大阪版が毎月奇数火曜日朝刊、他の西日本地域版は随時、主に朝刊に連載中です。

平成23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」を刊行。平成26年1月、過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」を刊行しました。福祉施設の現場で起きる笑い、涙、驚き、喜びなど、「現場」の”ちょっといい話”が満載。ぜひお読みください。

ご希望の方は、書店、インターネット、または事業団本部までお問い合わせください。

連載きずな詳細

連載きずな

【きずな「三恵園」日記】知ってもらうことは力になる

2016年06月07日

 12の福祉施設・事業所を運営する産経新聞厚生文化事業団には、「ブランディング委員会」という組織がある。メンバーは各職場で広報を担当する職員ら。職場の枠を越え横につながる仲間だ。ホームページ、フェイスブック、広報紙、イベントなどを通じて、外部への発信に努めている。
■福祉でブランディング?
 「最初は戸惑いました」
 メンバーの一人で、共同生活援助事業所(グループホーム)「大里荘」(能勢町)の職員、塚谷正憲さん(39)は、3年前の委員会発足時を振り返る。
 ブランディングという言葉は福祉の現場とかけ離れたイメージがあるが、活動を続けてみると、意外な発見があったという。
 広報紙の企画で座談会をしたときは、違う職場の職員と本音で話し合えた。施設内に設置する自動販売機のデザイン、ラジオCMのシナリオづくりと、いろんな経験を積むうちに、仕事の中で発想を広げる大切さを知った。日々の仕事が客観的に見えてきた。
 何より利用者らが能力を発揮し、認められるきっかけをつくれたのは思いがけない成果だった。
■能勢電鉄とコラボ
 昨年夏、事業団のことを知った能勢電鉄から、「期間限定で駅の待合室に展示する作品をつくってもらえないか」と依頼が来た。委員会のメンバーは同社の社員らとともに企画を進め、展示のテーマを「夢の電車」に決定。絵が得意な利用者らを集め、自由な発想を生かしたミニチュア電車を製作した。能勢電鉄の社員も作業に加わった。電車好きなある利用者が、リアルな車両の絵を描いていると、「上手ですね」と社員が声をかけた。利用者は笑顔に。一緒に記念写真も撮った。
 「知ってもらうことは、利用者さんの力になる」と塚谷さん。理解し支えてくれる心強い味方が得られた。
                                                 (企画推進本部 和田依子)

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