連載きずな

 連載「きずな―三恵園日記」は、事業団が運営する施設で日々繰り広げられている日常の表情を中心に報告しています。産経新聞西日本版朝刊で平成22年6月から連載がスタート。

現在は大阪版が毎月奇数火曜日朝刊、他の西日本地域版は随時、主に朝刊に連載中です。

平成23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」を刊行。平成26年1月、過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」を刊行しました。福祉施設の現場で起きる笑い、涙、驚き、喜びなど、「現場」の”ちょっといい話”が満載。ぜひお読みください。

ご希望の方は、書店、インターネット、または事業団本部までお問い合わせください。

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【きずな「三恵園」日記】つないで支える、相談支援専門員

2016年05月31日

 障害があって外出するきっかけをなくしてしまった人、支援学校卒業後に行き場をなくした人。そんな人たちが再び社会とつながりが持てるよう橋渡し役をするのが、相談支援専門員(相談員)の池尻美智恵さん(29)だ。

■相談員の仕事
 池尻さんは相談支援事業所「福祉相談 くすのき」(池田市)の職員だ。
朝のミーティングを終えると、車で地域に住む相談希望者を訪ね、話を聞く。他人との関わりを拒んできた人の心を開き、言葉を受け止める。文字で埋めつくされた相談ノートは何冊にも及ぶ。夕方は事務所で電話相談にも応じる。
 福祉作業所や入所施設を利用している人が、適切なサービスを受けられているか、定期的に確認する「計画相談」サービスが昨年4月から義務化された。これにより相談対象者が増え、池尻さんはますます忙しくなった。障害福祉分野におけるケアマネジャーのような仕事も加わったからだ。

◆「つなぐこと」が役割
 池尻さんが相談員になって2年。その前は救護施設で5年半、支援員として働いていた。施設では入所者の日常生活の全てに関わり、思いに寄り添う支援を心がけた。そのせいか、相談員になった当初は「もっと直接関わりたい」と、もどかしさを感じた。
 そんなとき、池尻さんは学生時代にボランティアとして働いた施設の職員から「役割を意識して仕事をしなさい」と言われたことを思い出した。当時はピンと来なかった言葉の意味が、今は分かる。いろんな方向からのサポートが大事だと知ったからだ。
 「私の役割は、相談者を作業所やグループホームなど、いろんなサービスにつなぐこと。多様な角度から支援できるよう、多くの施設に足を運び、自分の目で確かめて紹介したい」と池尻さん。そのまなざしに、迷いはなかった。(企画推進本部 和田依子)

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