連載きずな

 産経新聞西日本朝刊で連載してきた「きずな―三恵園日記」は、令和元年6月から「きずなNEWS」として模様替えし、新たにスタートします。

 事業団は、産経新聞社の社会貢献を目指して昭和19(1944)年に設立されました。社会福祉法人として、支援を必要とする人々のために幅広い活動をする「公益事業」と、障害のある人々を直接支援する「社会福祉事業」を2本柱としています。

 平成28(2016)年4月の改正社会福祉法の施行で社会福祉法人には地域における公益活動が義務付けられ、それまでより一層「地域福祉」「地域共生」を強力に推し進めるよう求められました。

 これを受け、きずなNEWSでは事業団が運営する施設の日常の表情を報告するだけでなく、施設と地域との交流、事業団の社会公益活動についても紹介していきます。

 平成22年6月からスタートした「きずな―三恵園日記」は23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」として刊行され、26年1月には過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」として刊行されました。どちらも福祉現場の”ちょっといい話”が満載です。ご希望の方は事業団本部までお問い合わせください。

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連載きずな

【きずな「三恵園」日記】しめ縄作り 初めて受注

2015年09月15日

 稲ワラを1本1本丁寧に整える。しめ縄に不向きな茶色いワラは取り除く。手を休めず真剣に取り組む。
 地域で暮らす障害者に働く場を提供する就労継続支援事業所「すみれ工房」(能勢町)の利用者のうち、歳代の女性2人と歳代の女性1人の計3人。長澤利之支援員の車で週5回、豊能町にある大手しめ縄生産会社に通い、しめ縄作りの準備作業を行っている。

■予約販売も受け付け
 「しめ縄を受注するのは初めて。この地域は農家が多く、稲の二次利用も含めて地域の活性化になればと引き受けました。生産会社の方に感謝しています」と板谷久美子施設長は話す。
 利用者の就労は1日2時間。収穫期を迎え、刈り取られて乾燥機にかけたばかりの稲ワラと向き合う。作業は8月下旬から始まり、10月いっぱいまで続く。編み込みのあと、しめ縄に欠かせないウラジロなどの飾り付けは12月に入ってから利用者が行う。
 すみれ工房では、しめ縄の予約販売(☎072・734・3740)も受け付けている。1個からでも注文できる。12月20日以降に届けられる。

■「人と関わる経験に」
 利用者は当初、慣れない手つきだったが、今ではすっかり上達した。「今日は2時間で100本できました。明日は120本を目指します」。この前向きさに長澤支援員も目を細める。
 「地域の仕事に関わることで、地域に根ざした施設運営ができます。利用者さんも仕事を通じて就労金を得ることができ、生活を成り立たせていくことが可能となります」と板谷施設長。「利用者さんにとっては、いろんな人と関わる経験を積めることも、今後の生活を営む上で大切です」と話している。
                                                                 (三宅統二)

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